台湾内政部消防署主催のロープレスキュー教育課程 Level 2がいよいよ始まりました。5日間にわたるこの教育課程では、受講生たちは個人スキルの確認から高度なチームレスキュー技術まで、緊張感あふれる内容に挑戦します。
午前:基礎スキルの確認と試験
ロープアクセス試験でスタート
初日の始まりは、ロープアクセス技術試験。受講生たちは、以下の手順を制限時間内に実施する必要がありました:
1. 2ポイントアンカーの作成とアクセスラインの設定。
2. ディフィカルトエッジのクリア。
3. 約10mの降下後にチェンジオーバーし、再び上昇。
4. エッジを再通過して完了。
制限時間は5分で、基準を超えられなかった受講生は再試験へ。2回目も不合格の場合、修了証が発行されないという厳しい条件でした。
GRIMP JAPANのメンバー2名も技術展示を行い、2分40秒で完了する見事なスキルを披露。異国の地で多くの消防士の前に立つ緊張感も、貴重な経験となりました。
開講式:台湾消防のオープンマインド
試験後には台湾内政部消防署長(消防庁長官)を迎えての開講式が行われました。署長は「広い視野を持ち、世界中の消防士との交流を続け、技術を高める重要性」を強調。台湾消防の開放的で先進的な精神が、この教育課程の基盤にあることを感じさせられました。
午後:個人スキルからチームレスキューへ
Snatch Rescue(Pick Off Rescue)
要救助者を安全に救出するための下降・上昇モードの技術訓練が実施されました。
台湾全土のどの消防署でも配備されている基本的な資器材を使用するという方針に基づき、アサップ1個と最低限の装備で実施。このシンプルな構成が、どの現場でも対応できる技術の重要性を教えていました。
ノットパス訓練
午後の初めは、引き上げ・降下時のノットパス技術の訓練が行われました。
チームレスキュー:クロスホールシステム
午後の後半は、チームレスキュー訓練。訓練棟の2棟間で、以下のような実践的な想定が行われました:
GRIMP JAPANのメンバーによる技術展示では、5名で14分という早期救出を達成。異国の消防士たちの前で日本の技術の高さを示すと同時に、意見交換を通じて両国の技術向上に貢献しました。
教育の進行と全体の雰囲気
応用中心のカリキュラム
初日からLevel 1とは異なり、座学よりも実技中心の応用的な内容で構成されていました。教育内容には、理論と実践のバランスが取れており、全てが現場で活用できるものでした。
小隊での活動と連携
受講生たちは4つの小隊に分かれて活動を行いました。どの小隊も会話を重ねながら活動を進める姿が印象的でした。言葉が異なる私たちも、同じ救助技術に携わる者同士、自然と意図を理解できる場面が多々ありました。
まとめ:学びの意義とこれから
Level 2の初日は、以下のような重要な学びを提供しました:
初日から高いレベルでの訓練が展開され、台湾と日本、双方の消防士にとって意義深い1日となりました。
明日も更なる学びが続きます。受講生の皆さん、そしてスタッフの皆さん、お疲れ様でした! 🎈
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