台湾ロープレスキュー教育課程の2日目は、朝8時から夜8時までの12時間に渡る濃密なスケジュールで進行しました。さらに自主練習時間も設けられ、最終日に向けた試験内容の説明や、新しい技術の学び、夜間訓練と、充実した内容が展開されました。
午前:基礎から応用へのステップ
最終試験の説明
最終日に実施される試験内容の詳細が発表され、学生たちにとって学びのゴールが明確に示されました。以下が主な試験要件です:
回収可能なアンカーシステムの教育
木や電線に絡まるパラシュート救助などに使える回収可能なアンカーシステムの教育が行われました。プルスルーアンカーの設定方法について、日本の一般的な方法も共有され、細かく丁寧な解説が加えられました。こうしたシステムは特定の事案で有用であるため、学生たちに新たな選択肢を提供しました。
Vレスキューの座学
Vレスキュー(クロスホールの救出システム)の理論について、詳細な座学が行われました。ロープの角度制限やTTRS、DMDBの推奨値の違いなど、物理的背景を含めた丁寧な説明により、学生たちは救助システムの基礎を深く理解しました。
午後:理論を基にした実技訓練
Tレスキューの訓練
午後はTレスキュー(テンションラインシステム)の訓練が行われました。Vレスキューと同様に、理論からスタートし、以下のような内容を学生たちと共に確認しました:
訓練では、張力計を用いてロープの張力やアンカーの負荷を実際に計測。物理的な理解を深めるだけでなく、システム内の動きを可視化することで学生たちに実践的な知識を提供しました。
Tレスキュー想定訓練
4つの小隊に分かれて想定訓練が行われました。それぞれのチームは理論に基づき、効率的かつ安全な救助活動を展開。混成隊でありながら、スムーズに課題をクリアする学生たちの姿に、台湾の教育体制の充実を感じました。
夜間訓練:現場に近い状況での実践
2日目のハイライトは、夜間訓練です。夜間特有の困難さを体験することで、学生たちは実際の現場に役立つスキルを習得しました。
訓練内容:
夜間訓練は視界が制限される中、学生たちは慎重かつ効率的に活動を進め、すべての救助を無事故で完了。特に混成隊としての連携が求められる中、スムーズな活動は教育課程の成果を物語っていました。
学びと気付き:理論と実践の融合
今回の2日目の訓練を通じて、以下のような学びと気付きを得ることができました:
1. 教育の理論的基盤の重要性
台湾の教育では、物理的背景や理論的根拠を丁寧に説明することで、学生たちの理解を深めていました。こうした理論的アプローチは、日本でも見習うべき点です。
2. 夜間訓練の必要性
日本では夜間訓練の機会が少ないものの、台湾ではこれを標準的に実施。夜間のリスクや活動の困難さを事前に体験することは、現場対応力の向上に繋がります。
3. 混成隊での活動がもたらす成長
所属の異なる消防士同士が連携して活動する訓練は、チームとしての力を高めると同時に、救助の標準化にも役立ちます。
次なる挑戦に向けて
明日は、さらなる実践的な想定訓練が予定されています。学生たちが理論を現場でどのように応用していくのか、学びを深める姿を見届けることが楽しみです。
引き続き安全に、そして有意義な学びを! 🎈
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